【書籍紹介】親御さんが認知症かも…と思った時に手に取りたい一冊

 こんにちは。行政書士ポラリス法務事務所の北原です。

 お盆休みも終わり、今日からまたお仕事という方も多いかもしれませんね。

 7月末にようやく梅雨明けしたかと思ったら、最近では、夜には蝉の声よりも秋の虫の音のほうが優勢になってきたように感じます。世の中は相変わらず大変な状況ですが、季節は暦どおり少しずつ進んでいるようですね。

 さて、今日は、最近出版された介護に関する書籍の紹介をしたいと思います。

「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」工藤広伸 著

 本書は、東京⇔岩手間で行き来をしながら親御さんの介護を遠距離でされている著者の工藤広伸さん(遠距離介護ブログや講演会で有名な方のようですので、既にご存知の方も多いかもしれませんね。)が、ご自身のご経験を基に書かれた本です。

 内容的には、親御さんにそれらしい症状が出てきた場合の認知症の見極め方から、相談窓口などの介護の開始段階、そして、介護が始まってからの親御さんとの関わり合い方まで幅広く網羅されており、遠距離介護をされている場合に限らず、高齢といえる年齢にさしかかってきた親御さんをお持ちのお子さん世代にとってすべからく参考になる書籍です。

 医療や福祉の専門家ではない認知症患者のご家族としてのお立場から書かれた本書には、介護をする側・受ける側がそれぞれの段階において真に必要とする情報やヒントがギュッとまとまっています。

 そして、なかでも目を引くのが、介護にITツールを上手に活用するアイディアの数々。親御さんと離れて(そこまでの遠距離ではなくとも、歩いてすぐに様子を見に行けるような生活圏を共にできる距離でなければ、そう言えるかもしれませんね。)暮らすお子さんにとっては、日々生じる大小様々な問題があるかと思いますが、本書では、なるほど!と思わず膝を打つような形で、その解決策を提示してくれています。

 既に認知症と診断された離れて住む親御さんがいらっしゃる方、久々に親御さんと会った時に少し気になる言動がありご不安に思われている方、そして、まだ親御さんはお元気だが高齢になってきたために漠然と今後のことがご心配な方に、ぜひお勧めしたい一冊です。

 一旦始まったら終わりが見えない介護だからこそ、介護される側を考えるのはもちろんのこと、できるだけ人の手やITの力を借りることによって、介護する側にとっても負担の少ない方法を模索していけたらいいですね。

 さて、猛烈な暑さの続く東京、少なくとも今週一杯はこの記録破りの暑さは続きそうですので、体調管理にはくれぐれも気を付けていきましょう。

行政書士ポラリス法務事務所

代表・認知症サポーター  北原 絢子