こんにちは。行政書士ポラリス法務事務所の北原です。
12月も半ばに入り、いよいよ年末が近づいてきましたね。すでに年賀状を投函されたという方もいらっしゃるでしょうか。
近年はメールなどで新年のご挨拶を済ませる方も増え、年賀状の取扱い数が年々減少しているとのこと。今年はコロナ禍で年末年始も外出自粛ムードが高まるなか、年賀状の発送も少し盛り返しをみせるのでしょうか?
私は手紙は出すのも受けるのも好きなので、年賀状書きもできるだけ続けていきたいと思っています。しかし、年齢を経てくると、今までは当たり前にできていた事が次第に億劫になってくるものですよね。ましてや、長年に渡って続けてきた年賀状の宛先となると、その数は年々多くなっているかもしれず、年賀状書きのご負担もまた年々重く感じられるようになる方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなご負担を解消するため、近年、「終活年賀状」という言葉を耳にするようになりました。
「終活年賀状」とは?
「終活年賀状」とは、その名の通り、人生の終わりに向けて身の回りの整理をする「終活」の一環として、「来年から年賀状を出すのをやめます。」と宣言するための最後の年賀状のことをいいます。
年賀状を出すのはそろそろやめたいけれど、急に何の前置きもなく一方的にやめてしまうのもお相手に対して失礼に当たるかな…という配慮から出てきたもののようです。
終活年賀状のあり方
終活年賀状の書き方や出し方には、特に決まりはありません。ですので、全ての方に一律に終活年賀状を出して、来年からの年賀状書きを一切やめてしまうという必要もありません。もし、お互いの近況報告を毎年楽しみにしているような旧知の仲のお友だちやご親戚がいらっしゃるのであれば、そうした方々とのやり取りが急になくなってしまうのは、貰う側としても出す側としてもさみしいものがあるかもしれないですよね。そういった場合には、そうした親しい方々を除いて終活年賀状を出すこともできるでしょうし、お付合いの程度から範囲を区切って段階的に宛先を減らしていくというのも一つ方法かもしれません。あくまで、ご自身のご負担を軽減するためにはどういった形が望ましいかをお考え頂くのがよいかと思います。
なお、ご本人に万一のことがあったとき、「エンディングノート」などに万一の場合に連絡してほしい人のリストなどを書き残していない場合には、残されたご家族としては、直近年度の年賀状の送り先をこうしたリストの代わりに使うほかない場合があります。したがって、年賀状の送り先を絞る際に迷われたときは、そうした点も踏まえて考えてみるというのも、一つの方法と思われます。
また、こうした終活年賀状について、受け取る人によっては「今後のお付合いを断ちたい」と極端な解釈をされてしまう場合もあるようです。もう既に形ばかりのやり取りになって久しく、そのように受け取られても仕方ないかな…という場合は除いて、「年賀状はこれが最後だけれど、今後もお付合いよろしく…」などの一言を添えておくと、安心かもしれないですね。
終わりに
高齢になってから孤立しないためにも、周囲とのお付き合いは大切なもの。そして、たしかに、年賀状はそうしたお付き合いのための一つの方法です。しかし、年賀状のやり取りがなくとも、常日頃から周囲の方々とのいい関係性が築けているのであれば、年賀状は必ずしも無理して出し続ける必要があるものではないかもしれません。そして、身の回りの物の整理をしていくように、お付合いをする人をある程度絞っていくということもまた、ある程度の年齢になったら必要なことなのかもしれません。
こうした終活年賀状に関する考え方ひとつとっても、それぞれの価値観が出るもの。小さな選択を一つひとつ丁寧に積み重ねて、最後まで自分らしい人生を歩んでいきたいものですね。
弊所では、こうした事も含めた終活に関するご相談もお受けしています。ご不明なことがございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。
行政書士ポラリス法務事務所
代表行政書士 北原 絢子