コロナ禍の年末年始に考えたい、親御さんの終活について

 こんにちは。行政書士ポラリス法務事務所の北原です。

 早いもので、今日はクリスマスイブ。新型コロナ感染症に翻弄されてあっという間に過ぎていったこの一年。例年ならば待ち遠しい年末年始のこの時期ですが、今年は気付かないうちにここまできてしまったなという気がします。来年は事態が収束に向かい、少しでも早くこれまでの生活を取り戻せることを願うばかりですね。

帰省は親御さんの終活を進める機会

 さて、本来であれば、帰省して離れて暮らす親御さんと久々に顔を合わせる機会もあるこの時期は、いつもはできない今後のお話などを親御さんと話し合える貴重な機会でもあります。

 しかし、コロナ禍で迎える今年の年末年始は、それもままなりませんよね。ところが、こんなときでさえ、時間は待ってはくれないもの。私たち子ども世代がそうであるように、親御さんもまたひとつ否応なく歳をとっていきます。そんなコロナ禍の今でも、何かできることはないものでしょうか?

帰省できないコロナ禍でもできる準備

 実は、少なくない数の親御さんが、お子さんから終活を切り出されることを嫌う傾向があるそうです。たしかに、人生の終わりのことを聞かれるのは、現実を否応なく突きつけられる気がしてしまうかもしれません。また、財産のことについては、聞かれるほうも聞くほうも、ともに抵抗があるものですよね。

 ところが、お子さんが、「これ、私も書いてみたんだけど、お父さん/お母さんも書いてみない?」と、まずはエンディングノートを書くところから提案してみると、意外とすんなりいくケースもあるそうです。

まずはお子さまご自身が書いてみる

 そこで、今年は、次に親御さんに会う際のご準備として、まずは、ご自分でエンディングノートを書いてみる、というのはいかがでしょうか?

 きっかけは親御さんの終活ではありますが、気力・体力があり、かつ、親御さんの介護等で時間が取られない比較的早い時期にご自身の終活も始めておくことは、お子さんご自身にとっても決して悪いことではありません。なお、エンディングノートは、状況の変化に応じて、後に修正を加えていくことももちろんできます。

エンディングノートの選び方

 エンディングノートは、本屋さんやAmazon等で購入できる市販のもので大丈夫ですが、いずれ同じものを親御さんに書いてもらうことを前提にすれば、できるだけ文字が大きく、ページ数の少ないもの、すなわち、書く方にご負担の少ないもの、がおすすめです。ただし、内容が少なくても、必要な項目(例えば、財産、かかりつけ医・利用している介護サービス等・服用している薬、介護・医療についてのご希望、万一の時の連絡先、お葬式・埋葬方法・お墓等についてのご希望など)は最低限押さえているものを選びたいところです。

気を付けたいこと

 こうした項目について、実際にご自身で一つひとつ考えながら書いていってみると、意外な気付きがあったりします。そうした気付きをノートにメモとして残しておくと、実際に親御さんに書いてもらう時に、そうした気付きを活かすことができます。

 親御さんの性格や親子の関係性なども考慮に入れて、お話のもっていき方などを考えておくのも、また一つかもしれません。

 コロナ禍で親御さんに直接会うことは叶わなくとも、その間にもできることはあります。会えない期間の準備を次の機会に活かすことができるよう、少しずつ考えていきたいですね。

行政書士ポラリス法務事務所

代表  北原 絢子